2.下位尺度間および尺度間の関連
2-1.受動的先延ばし行動傾向と積極的先延ばし行動傾向の相関係数
まず、受動的先延ばし行動傾向および積極的先延ばし行動傾向の尺度内の相関係数をTable3、Table4に示す。受動的先延ばし行動傾向は尺度内において、「課題先延ばし」と「約束事の遅延」に有意な正の相関がみられた。積極的先延ばし行動傾向は尺度内においては、「プレッシャー管理能力」と「締め切りに間に合わせる能力」のみに有意な正の相関がみられた。次に、受動的先延ばし行動傾向と積極的先延ばし行動傾向の関連を相関係数から検討した。その結果をTable5に示す。受動的先延ばし行動傾向の下位尺度である「課題先延ばし」および「約束事の遅延」は、積極的先延ばし行動傾向の下位尺度である「プレッシャー管理能力」および「意図的な意志決定」とは無相関、「締め切りに間に合わせる能力」とは有意な負の相関がみられた。
2-2.楽観性、自己効力感における尺度内の相関係数、受動的先延ばし行動傾向および積極的先延ばし行動傾向と各変数間の相関係数
まず、楽観性と自己効力感の尺度内の相関係数をTable6、Table7に示す。楽観性と自己効力感のどちらにおいても、それぞれの全ての下位尺度間で有意な正の相関がみられた。次に、受動的先延ばし行動傾向および積極的先延ばし行動傾向における各変数間の関連を相関係数から検討した。その結果をTable8に示す。受動的先延ばし行動傾向の下位尺度である「課題先延ばし」および「約束事の遅延」では、いずれの変数間においても無相関であった。積極的先延ばし行動傾向の下位尺度である「プレッシャー管理能力」では、「困難の不生起」を除く楽観性の下位尺度および自己効力感の下位尺度と有意な正の相関、評価不安とは有意な負の相関がみられた。「締め切りに間に合わせる能力」では、楽観性の「割り切りやすさ」、「肯定的期待」および自己効力感のすべての下位尺度と有意な正の相関、評価不安と有意な負の相関がみられた。「意図的な意志決定」では、楽観性の「割り切りやすさ」のみに有意な正の相関がみられ、その他の変数とは無相関であった。
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