4.楽観性が先延ばし行動傾向に与える影響におけるモデル検討


 楽観性が受動的先延ばし行動傾向および積極的先延ばし行動傾向にどのように関係しているのかを検討するために、楽観性の下位尺度が受動的先延ばし行動傾向および積極的先延ばし行動傾向の各下位尺度を予測する因果モデルを仮定し、Amos18を用いて、構造方程式モデリングによる推定を行った。なお、楽観性の下位尺度間にはそれぞれ共分散を仮定した。その結果、モデル適合度が低かったため(Figure1:GFI=.837,AGFI=.267,CFI=.498,RMSEA=.308)、修正指数に基づきモデルを修正した(Figure2)。その結果、GFI=.998,AGFI=.988,CFI=1.000,RMSEA=0.000と十分なモデル適合を示したため、そのモデルを採用した。各パスにおける標準偏回帰係数については(Table11参照)、まず楽観性側面の「割り切りやすさ」から積極的先延ばし行動傾向の「プレッシャー管理能力」および「意図的な意志決定」への正の影響が示された。また、積極的先延ばし行動傾向の「締め切りに間に合わせる能力」に向けて、受動的先延ばし行動傾向の「課題先延ばし」からは負の影響、受動的先延ばし行動傾向の「約束事の遅延」および積極的先延ばし行動傾向の「プレッシャー管理能力」からは正の影響がそれぞれ示された。















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