【結果】

7.年齢差の検討
年齢によって3尺度の各下位尺度の得点が異なるかどうかを検討するために、1要因の分散分析を行った(Table12)。その結果、遊び下位尺度(F(2,375)=5.70, p<.01)において、9歳の方が10歳よりも有意に高い得点を示していた。接触・交流下位尺度(F(2,375)=13.08, p<.001)、世話下位尺度(F(2,385)=24.30, p<.001)、帰属安心下位尺度(F(2,379)=6.21, p<.01)、親密・表出下位尺度(F(2,388)=11.39, p<.001)において、8歳と9歳の方が10歳よりも有意に高い得点を示していた。社会的能力については、年齢による有意な差はみられなかった。つまり、一緒に体を動かしたりして遊んだり活動をするスキンシップは、9歳の方が10歳よりも多く、直接的な身体接触やゆっくりと時間をかけて関わる心的な交流のスキンシップやお風呂の場面でなされる世話のスキンシップは、8歳と9歳の方が10歳よりも多いという結果であった。また、8歳と9歳の方が10歳よりも、困った時や落ち込んでいる時に「おうちの人」が自分にどのようにしてくれるか予測でき「おうちの人」に安心感をもったりすること、困った時や落ちこんでいるときに自分から「おうちの人」に気持ちを伝えたり自分から「おうちの人」に近付き、特に自分の気持ちを「おうちの人」に表出する傾向にあることが示された。




年齢の男女差の検討を行うために、男女別で1要因の分散分析を行った(Table13,14)。その結果、男子は接触・交流下位尺度(F(2,162)=4.26, p<.05)と世話下位尺度(F(2,166)=7.92, p<.01)において8歳の方が10歳よりも有意に高い得点を示した。自己への気づき下位尺度(F(2,172)=4.36, p<.05)においては、10歳の方が8歳よりも有意に高い得点を示し、男子だけで見た学年差と同じ結果となった。つまり、直接的な身体接触やゆっくりと時間をかけて関わる心的な交流のスキンシップやお風呂の場面でなされる世話のスキンシップは8歳の方が10歳よりも多く、10歳の方が8歳よりも自分の感情に気付き、自己の能力について現実的で根拠のある評価をする力が高い傾向がみられた。 女子は接触・交流下位尺度(F(2,210)=9.41, p<.001)、遊び下位尺度(F(2,213)=3.18, p<.05)、世話下位尺度(F(2,216)=17.66, p<.001)、帰属安心下位尺度(F(2,206)=4.70, p<.05)、親密・表出下位尺度(F(2,212)=12.31, p<.001)において8歳と9歳の方が10歳よりも有意に高い得点を示し、女子だけで見た学年差とは異なる結果となった。つまり、直接的な身体接触やゆっくりと時間をかけて関わる心的な交流のスキンシップや一緒に体を動かしたりして遊んだり活動をするスキンシップ、お風呂の場面でなされる世話のスキンシップは8歳と9歳の方が10歳よりも多い。さらに8歳と9歳の方が10歳よりも困った時や落ち込んでいる時に「おうちの人」が自分にどのようにしてくれるか予測でき「おうちの人」に安心感をもったり、困った時や落ちこんでいるときに自分から「おうちの人」に気持ちを伝え、自分から「おうちの人」に近付き、特に自分の気持ちを表出したりする傾向にあることが示された。なお、祖父母については、「1番身近なおうちの人」の割合が母親344名(85.6%)、父親41名(10.2%)、祖母11名(2.7%)、祖父6名(1.5%)と祖父母を選んだ被験者数が極めて少なかったため、「1番身近なおうちの人」の以降の分析から除外することとした。







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