【結果】

9.スキンシップと愛着による分類
スキンシップ尺度得点と親への愛着尺度の「帰属安心」と「親密・表出」の合計得点「回避・非表出」得点を用いて、グループ内平均連結法によるクラスタ分析を行い、3つのクラスタを得た。第1クラスタには161名、第2クラスタには88名、第3クラスタには37名の調査対象が含まれていた。X2検定を行ったところ、有意な人数比率の偏りが見られた(X2=81.49, df=2, p<.001)。 次に、得られた3つのクラスタを独立変数、「スキンシップ」「帰属安心、親密・表出」「回避・非表出」を従属変数として分散分析を行った。その結果、「スキンシップ」「帰属安心、親密・表出」「回避・非表出」ともに有意な群間差が見られた(スキンシップ:F(2,283)=111.67, 帰属安心、親密・表出:F(2,283)=180.83, 回避・非表出:F(2,283)=127.54, ともにp<.001)。Figure3に3群の各得点を示す。TukeyのHSD法(5%水準)による多重比較を行ったところ(Table17)、「スキンシップ」については第3クラスタ>第2クラスタ>第1クラスタ、「帰属安心、親密・表出」については第3クラスタ>第2クラスタ>第1クラスタ、「回避・非表出」については第2クラスタ>第1クラスタ>第3クラスタという結果が得られた。 第1クラスタは「スキンシップ」「帰属安心、親密・表出」がともに低く、「回避・非表出」が中程度であり、「おうちの人」との関係が築けていない傾向にあると考えられるため、「関係疎」群とした。第2クラスタは「スキンシップ」「親密・表出」がともに中程度で、「回避・非表出」が高く、自分の気持ちを言わずに抑制している傾向にあると考えられるため、「感情抑制」群とした。第3クラスタは「スキンシップ」「帰属安心、親密・表出」がともに高く、「回避・非表出」が低く、「おうちの人」と密接な関係を築いている傾向にあると考えられるため、「密接」群とした。


Figure3 3群のスキンシップおよび愛着得点






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