【問題と目的】
3.LINEというサービスについて
LINEとは,SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の一つであり,提供元のLINE株式会社(2014)は「無料通話・無料メール スマートフォンアプリ LINE」と述べている。同社の調査によると,現在,全世界で3億5千万人,日本国内では5000万人以上が,LINEを利用していることがわかっている。また,利用頻度についても,10代後半から20代前半の若年層の7割が毎日LINEを利用していることが示されている。
LINEが多くの利用者を有している理由の一つが,トーク機能の充実である。LINEにおけるコミュニケーションのやり取りの場はトークルームと呼ばれ,従来の携帯メールと同様の一対一の会話に加え,グループを作ることで複数の利用者による同時会話(グループLINE)を行うことが出来る。直接集まることや,従来のチャットのようにパソコンの前に座るといった必要性がないため,距離や時間などの条件に縛られることも少ない。また,スタンプ(約1.5p四方のデザイン画)によって,絵文字以上に,自身の感情や状態を表現しやすくなっている。これらのことから,LINEは従来の携帯メールに比べて,より対面に近い状態で会話ができると考えられる。
このような機能は,コミュニケーションツールとしては,大きな利便性,即時性,経済性,リアリティー,その他さまざまな利点を持っており,現在では若年層を中心にもっとも利用されているSNSであるといえる。その一方で,このLINEによるコミュニケーションにおけるトラブルもたくさん報告されているように,利点ばかりではない側面も持っている。次節においてこの点について議論する。