5. 個人心理的居場所感と集団心理的居場所感を込みでの重回帰分析
主観的幸福感の下位尺度を従属変数に,個人と集団の心理的居場所感との重回帰分析を目的とした。しかし,多重共線性の問題により,正確な結果が得られないと予測し,SPSSを使って共線性の診断をすることにより,VIFの指標を算出した。個人の心理的居場所感では,個人本来感でVIF=14.328>10,個人役割感でVIF=14.675>10,個人被受容感でVIF=18.001>10,個人安心感でVIF=24.748>10となり,全てのVIF統計量が10以上を示した。集団の心理的居場所感では,集団本来感でVIF=12.541>10,集団役割感でVIF=14.917,集団被受容感でVIF=17.318>10,集団安心感でVIF=22.180>10となり,こちらも全てのVIF統計量が10以上を示した。VIF>10であるため,これら全てに多重共線性が発生していることが判明した。試みに結果を出してみると,個人被受容感と満足感,個人被受容感と自信の間に有意な負の影響がみられ,信用できない結果となった(Figure 1)。そのため,個人心理的居場所感と集団心理的居場所感をまとめて独立変数とした,今回の重回帰分析の結果は使用しない。
←back/next→