1. 各尺度の因子分析と下位尺度得点について


1-4.恋人の好きなところ(女子データの分析)

 全体の因子分析と因子構造が異なるか検討するために女子のみのデータで因子分析を行った(最尤法プロマックス回転)。その結果,「12. 運動神経がいい」「13. 無邪気」の2項目は複数の因子に負荷量が高かったため削除したところ,因子の解釈可能性などから5因子解を採用した(Table9)。

 第1因子は「7. 一途」「6. 安心感がある」「15. 将来のことを考えてくれる」などの項目が含まれていた。これは恋人との将来のことも考えた上での好きなところではないかと考えたため『将来性がある』と命名した。

 第2因子は「2. 気が合う」「1. 趣味が合う」「16. 話を聞いてくれる」などの項目が含まれていた。これは,恋人と一緒にいると落ち着くようなところに好きだと感じているのではないかと考えた。そのため『一緒にいると落ち着く』と命名した。

 第3因子は「9. 面白い」「18. 笑わせようとしてくれる」などの項目に高い因子負荷量がみられた。そのため『一緒にいると楽しい』と命名した。

 第4因子は「4. ルックスがいい」「5. おしゃれ」「3. お金持ち」の3項目に高い因子負荷量がみられた。これは恋人の外見的な魅力や身分を評価していると考えた。そのため『ステータスが高い』と命名した。

 第5因子は「20. 家族を大切にしている」「19. 常識がある」「11. 知的」の3項目に高い因子負荷量がみられた。そのため『常識人』と命名した。

 そして,下位尺度である『将来性がある』『一緒にいると落ち着く』『一緒にいると楽しい』『ステータスが高い』『常識人』の平均値と標準偏差を算出した。下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,『将来性がある』でα=.77,『一緒にいると落ち着く』でα=.72,『一緒にいると楽しい』でα=.76,『ステータスが高い』でα=.73,『常識人』でα=.59,であった。『常識人』のみ,やや低い値だが因子の解釈可能性を考えてこのまま使用することとした。



  



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