2.子どもの対人関係
2−3.子どもの対人関係における課題
文部科学省(2009)は,対人的な発達における課題についても時期ごとにその課題を挙げている。小学校低学年の時期の対人的な発達の課題として,「人として,行ってはならないこと」についての知識と完成の涵養,集団や社会のルールを守る態度など,善悪の判断や規範意識の基礎形成が挙げられている。9歳以降の小学校高学年の時期の対人的な発達の課題としては,@抽象的な思考の次元への適応や他者視点に対する理解,A自己肯定感の育成,B自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養,C集団における自覚や主体的な責任感の育成,D体験活動の実施など実社会への興味・関心をもつきっかけづくりが挙げられている。
このことからも,子どもの対人的な発達は小学校中学年以降から著しく進むと考えられる。その一方で,その発達には個人差が出てくるようになり,対人関係において課題を抱える子どもの支援が重要となる時期ともいえる。
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