5.質的研究
5−2.SCATについて
SCATは大谷(2008)が開発した質的データ分析手法であり,あらかじめ文節などで区切った質的データを所定の様式の中に記述し,それぞれに対して,
@データの中の注目すべき語句
Aそれを言いかえるためのデータ外の語句
Bそれを説明するための語句
Cそこから浮き上がるテーマ・構成概念
の順にコードを考え付していく4ステップコーディングを行う。そして,Cテーマ・構成概念を基にストーリーラインを記述し,そこから理論を記述する手続きをとる分析手法である(大谷,2008)。SCATは,一つだけのケースのデータやアンケートの自由記述欄などの比較的小規模な質的データの分析にも有効であり,また,明示的で定式的な手続きを有するため,初学者にも着手しやすいとされている(大谷,2011)。
本研究で扱うデータは,一つのケースを追ったエピソード記録であるため,SCATでのデータ分析が適していると考える。
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