20.群分けを含めたドリームマップ授業前後での比較検討
20-1.ドリームマップ授業前後での学年の検討
各下位尺度得点の差と学年に関連がないかを検証したところ、自己効力感の行動に対する努力の側面、楽観性、個人基準での肯定的な評価、学習意欲の自ら学習に取り組む側面について有意な交互作用が見られた。交互作用が見られたものについて単純主効果の検定を行ったところ、交互作用が見られたもの全てにおいて、6年生において、授業前から授業後において有意差が見られた(Table 6参照)。この結果について、6年生がドリームマップ授業を受講することで大きな心理的な変化があったと考えられる。
自己効力感の行動に対する努力の側面、楽観性、個人基準での肯定的な評価、学習意欲の自ら学習に取り組む側面の全てが、6年生の授業後の得点が6年生の授業前の得点よりも高いという結果が得られた。この結果について、将来に対する意識の違いによるものなのではないだろうか。
桜井(1992)は、5年生と6年生での自己意識の違いを示唆しており、桜井(1992)は5年生の自己意識の方が高くなっているという結果を出している。特に、「私的自己意識」の項目では、「自分のことをじっくり考えてみる事がありますか」などの内容が含まれており、自分に関する意識を問う内容になっている。6年生が低くなっていることから、ドリームマップ授業前も同じように、自己効力感や楽観性、自己評価や学習意欲なども同じように低かったことが考えられる。それが、ドリームマップ授業を受講したことによって、自分に対しての意識に変化が見られたと考えられる。また、小学校6年生は小学校最終学年であり、将来に対する意識を持つようになる学年でもあることから、ドリームマップを受講し、将来の夢を決定したことによって、将来に対しての意識に大きな変化が見られた為、このような結果になったと考えられる。
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