2.記述統計量および
t検定
各下位尺度得点の記述統計量をTable7からTable9に示す。
2-1.集団評定値と個別平均の差の検討
各下位尺度の得点の集団評定値(集団として評定された値)と個別平均(メンバー個人の評定値の平均)の差について検討するため,集団としての「SMAP」の評定値とメンバー5人の得点の総和の平均値との間で,対応のあるt検定を行った(Table10)。これは,「SMAP全体」の印象と,各メンバーの得点を平均したものが,同じような数字になるのかどうかを調べる目的で行った分析である。
その結果,『スケール特徴』(t (117)=12.004 p<.05)と『明るさ』(t(117)=5.087 p<.05)では,統計的に有意な差が認められ,「メンバー5人の得点の総和の平均値」より「集団としてのSMAP」のほうが有意に高い得点を示していた。『好感』(t(116)=0.475 n.s.)では統計的に有意な差は認められなかった。
3.下位尺度得点における各メンバーと「SMAP全体」の比較検討
各下位尺度『スケール特徴』『好感』『明るさ』について,メンバー5人それぞれの下位尺度得点と「SMAP全体」としての得点を比較検討するために1要因分散分析を行った。結果をTable11に示す。
3-1.スケール特徴得点について
Dunnett法(5%水準)による多重比較を行った。つまり「SMAP全体」得点と各メンバー間での比較において有意差があったところは次のとおりである。「SMAP全体」と「稲垣吾郎」(F(5)= -.972 p<.05),「SMAP全体」と「香取慎吾」(F(5)= -.982 p<.05)で有意な差が認められた。「SMAP全体」と「木村拓哉」(F(5)= .018 n.s.),「中居正広」(F(5)= -.211 n.s.),「草g剛」(F(5)= -.095 n.s.)では有意な差は認められなかった。具体的な違いを視覚的に示すために,スケール特徴得点について6群で棒グラフを作成した。Figure1に示す。
3-2.好感得点について
Dunnett法(5%水準)による多重比較を行った。「SMAP全体」得点と各メンバー間での比較において有意差があったところは次のとおりである。「SMAP全体」と「木村拓哉」(F(5)= -.320 p<.05),「SMAP全体」と「稲垣吾郎」(F(5)= -.256 p<.05),「SMAP全体」と「香取慎吾」(F(5)= .312 p<.05)で有意な差が認められた。「SMAP全体」と「中居正広」(F(5)= .221 n.s.),「SMAP全体」と「草g剛」(F(5)= .010 n.s.) で有意な差は認められなかった。具体的な違いを視覚的に示すために,好感得点について6群で棒グラフを作成した。Figure2に示す。
3-3.明るさ得点について
Dunnett法(5%水準)による多重比較を行ったところ,「SMAP全体」と「木村拓哉」,(F(5)= -.513 p<.05),「SMAP全体」と「稲垣吾郎」(F(5)= -.933 p<.05),「SMAP全体」と「草g剛」(F(5)= -.522 p<.05)では有意な差が見られた。この3人については「SMAP全体」の得点の方が有意に高かった。一方,「SMAP全体」と「香取慎吾」(F(5)= .317 p<.05)では有意な差が見られたが,「SMAP全体」の方が得点が低かった。「SMAP全体」と「中居正広」(F(5)=.225 n.s.)では有意な差は認められなかった。明るさ得点について6群で棒グラフを作成した(Figure3)。
3-4.各メンバーの得点について
各メンバーごとに,印象得点についてレーダーグラフを作成した(Figure4)。
Figure4 SMAPメンバーの印象得点
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