3.本研究の目的
本研究では,集団に対する魅力要因,とくにアイドルグループに対する魅力要因や魅力の構造を検討することとする。社会学分野においても,境(2014)の『アイドル国富論』などのいわゆるアイドル論は存在するが,社会心理学分野においては,ファンの心理に関する議論がある。たとえば上瀬(1994)は「タカラヅカファン」について意識調査をしているが,タカラヅカファンは総じて,「美しいものへの憧れをもち,現実には求めない美しさを舞台に求めている人たち」であると述べている。このように,集団の魅力についての研究ではあるものの,集団についての心理学的な考察はあまり展開されていないものが多く,現状では集団としての魅力を検討した研究は意外に少ない。
以上のことから,2つのアイドルグループに焦点を当てて,人々がこれらの集団に対して,集団としてどのような点に魅力を感じているのかを考察することで,人が第三者として集団を捉える時の魅力の要因を探ることを目的とする。
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