7.チーム学校
教師が自分自身で考え指導を行う場合と,教師間で連携を行い,指導を行う場合では,また異なる指導が予想される。指導が難しい問題を抱える子どもでも,教師間の連携によって指導がうまくいけば,指導が難しい子どもと認知されにくいかもしれない。よって,本研究では教師の認知について考える際に教師間の連携についても取り上げる。
文部科学省(2015)は「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」において,「チームとしての学校」の体制とは,校長のリーダーシップの下,学校のマネジメントを強化し,組織として教育活動に取り組む体制であり,生徒指導や特別支援教育等を充実していくために,学校や教員が心理や福祉等の専門家(専門スタッフ)や専門機関と連携・分担し,学校の機能を強化していくことであると示している。そして「チームとしての学校」の体制を整備することによって,教職員一人一人が,自らの専門性を発揮し,専門スタッフ等の参加を得て,課題の解決に求められる専門性や経験を補い,子どもたちの教育活動を充実していくことが期待できると述べている。板橋・金丸・小久保・筒井(2006)は中学校を対象に学年会と石隈・田村式援助チームワークシート(石隈・田村,2003)を活用し,子どもを多面的に見ることで,援助ニーズの高い子どもを的確に捉え,有効な関わりを持つチーム援助へつなげられるように試みた。その結果,教師の負担は課題であるものの,学年会でケースを重ねることで他の生徒にも応用できる面が生まれたことや,ワークシートを活用することで生徒を取り巻く人間関係が分かりやすくなったり,専門家の見立てや効果的な手立てを伝えたりすることができた。
このように,教師同士や専門家などと連携することで,子どもの問題解決を図ることがあることがわかる。
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