2.問題を抱える子ども


2−5.指導が難しい子ども

 青木・小河(2009)は学校で教師が指導困難な子どもについて検討し,「いじめ」や「不登校」のような今日の学校教育問題として取り上げやすいものだけでなく,多様な問題行動があることを示した。そしてその対処法としては,「個別に指導する」と「その子ども本人との人間関係を深める」であった(青木・小河,2010)。 学校教育の場では,すべての子どもの発達を援助しなければならない。しかし,「いじめ」や「不登校」など,問題が顕在化している子どもに対する指導については多くの研究がされているが,このような「指導が困難な子ども」に焦点をあてた研究はほとんど行われていない。また中学生のみに焦点を当てたものも少ない。

 そこで本研究では,中学生を対象に「暴力行為をする子ども」や「いじめをする子ども」など明確に問題行動を定義された子どもではなく,教師が指導する中で「指導をするのが難しい」と感じ,指導に苦慮している子どもを「指導が難しい子ども」として取り上げ,検討する。 



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