3.各教師の信念・過去の指導経験・教師間連携について

 各教師のビリーフ得点,学校適応援助体制充実の指標得点を示す(Table11)。


3−1.信念・過去の指導経験のインタビュー(A教師)(Table12)

 A教師は,身だしなみの整え,きちんとした服装を心がけたり,担当教科の専門性を磨いたりするといった,教師の立場として生徒の模範となる行動を日常的に心がけていた。

 指導が難しい生徒を指導する際には,生徒の気持ちや話に耳を傾け,保護者の気持ちの理解に努める,というような生徒−保護者関係を重視して,真摯な態度で接することで指導がうまくいったと考えていた。一方で,生徒への見方が偏るなど,生徒に対する一面的な見方が教師−保護者間への不和につながり,指導が難しい生徒への指導がうまくいかなくなったと感じていた。また,生徒の非の程度を考える,つまり完全に生徒が悪いのか,他にも原因がないのかと考えることが重要であると考え,それによって生徒への対応の変化を行うようにしていた。これはA教師が中途半端な原因追及による指導は生徒の信頼に影響すると考えるからであった。

 A教師は「担任」として,生徒たちにそれぞれの長所・短所を伝えることで,短所是正・長所伸長の促進によって,生徒に自信を持たせるよう心がけていた。そして,この先もその自信を大事にして生徒に成長し続けてほしいという生徒観や期待をもって,長期的な視点で生徒を指導しようと考えていた。

  



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