3.各教師の信念・過去の指導経験・教師間連携について


3−4.B教師について

 B教師は生徒への指導について自分の価値観や気持ちを伝える必要があるという信念をもって指導していると感じていた。また自分の指導に対する思いが生徒に伝わり,生徒の行動に影響されることを望んで指導していると示唆された。しかし,教師の一方的な思いの伝達は生徒に伝わらないと懸念されるため,生徒の思いの傾聴の優先を重視していると思われる。さらにB教師はビリーフ尺度項目の中で,「教師はその指示によって,生徒に規律ある行動をさせる必要がある。」「生徒が学校の規則を守ることは社会性の育成につながる。」「生徒は学校のきまりを守り,他の生徒と協調していくべきである。」「生徒に休み時間でも馴れ馴れしい態度・言葉をさせるべきではない。」「生徒は学校で進んで授業や活動に参加する態度が望ましい。」と考えているなど,生徒への規律正しさを重視した信念をもっていることがわかった。

 B教師は「学年代表」としての生徒観を持ち,他教師との連携を重視した指導行動を意識していると考えられる。インタビューのなかでも,「担任からの話を聞いて」といった言葉や,「共有」という言葉が繰り返されていた。また,学校適応援助体制充実の指標得点が各教師の中で最も高かった。以上のことから,B教師は生徒への指導について,教師間の連携をとても重視しており,Zクラスでも担任や他教師のサポートを行いながら,教師間の連携を行っていると考えていると窺えた。

  



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