8−2.SCAT

 SCATとは大谷(2008)が開発した質的データ分析手法であり,あらかじめ文節などで区切った質的データを所定の様式の中に記述し,それぞれに対して,@データの中の注目すべき語句,Aそれを言いかえるためのデータ外の語句,Bそれを説明するための語句,Cそこから浮き上がるテーマ・構成概念,の順にコードを考え付していく4ステップコーディングを行うものである。そして,Cテーマ・構成概念を基にストーリーラインを記述し,そこから理論を記述する手続きをとる分析手法である。SCATは一つだけのケースのデータやアンケートの自由記述など,比較的小規模の質的データの分析にも有効であり,明示的で定式的手続きであるため,初学者にも着手しやすいと考えられている(大谷,2011)。そこで,本研究では一人30分程度のインタビュー調査をデータとして扱うため,SCATを用いるのが適切であると考える。  



back/next