4.個人の性格について
4-1.肯定的感情について
4-1-1.立場・親しさ・性格の関連
結果をTable11-15に示した。立場×親しさ×性格の3要因分析を行ったとき,いずれの交互作用も主効果もみられなかった。
4-1-2.場面・立場・性格の関連
結果をTable16-20に示した。場面×立場×性格の3要因分散分析を行ったとき,立場と性格(調和性)の交互作用に有意差がみられた(F(2,70)= 4.107, p< .05;Figure11参照)(Table19)。単純主効果の検定を行ったところ,調和性における立場の単純主効果については,調和性高群の立場の主効果は有意にならなかったが,調和性低群の立場の主効果は有意になった(F(1,35)= 11.60, p< .01)。また,立場における調和性の単純主効果は,同級生における調和性の主効果,先輩における調和性の主効果,後輩における調和性の主効果がいずれも有意になった(F(1,35)=4.98, p< .05;F(1,35)= 10.43, p< .01;F(1,35)= 5.40, p< .05)。立場の3水準についてBonferroniの方法による多重比較を行ったところ,同級生のときもっとも肯定的感情得点が高くなり,次いで先輩,後輩と高くなった。
4-1-3 場面・親しさ・性格の関連
結果をTable21-25に示した。場面×親しさ×性格の3要因分散分析を行ったとき,親しさと性格(外向性)の交互作用が有意になった(F(1,46)= 102.766, p< .001;Figure12参照)(Table21)。単純主効果の検定を行ったところ,外向性における親しさの単純主効果は,外向性高群も外向性低群もいずれも有意にならなかった。親しさにおける外向性の単純主効果は,親しい相手は有意になった(F(1,46)= 4.34,p< .05)が,親しくない相手では有意にならなかった。
また,親しさと性格(神経症傾向)の交互作用が有意になった(F(1,45)= 4.105,p< .05)(Table22)。単純主効果の検定を行ったが,どの単純主効果も有意にならなかった。
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