6.本研究の目的


 これまでに述べたように,SNS利用がストレスや心理状態,および主観的幸福感に及ぼす影響についての研究はされているが,SNS利用者のパーソナリティーに着目した研究は少ない。また近年では,特に若者の間で起こっている「SNS疲れ」という現象が新聞などで特集されることが増えているが,SNS疲れに着目した研究も少ない。そこで本研究では,自己愛的脆弱性や過剰適応傾向といった個人のパーソナリティーとSNS疲れという現象がどのように関連しているかを明らかにすることを目的とする。また,それらの特徴が主観的幸福感に与える影響についても検討する。SNS疲れの中には,「投稿内容に対しての他者からの反応が気になる」,「他人に合わせなければならないと思う」といったものがあるが,その要因として考えられるのは「人から見た自分」を強く意識する気持ちであると考える。そのため,今回は個人のパーソナリティーとして自己愛的脆弱性と過剰適応という二つを用いることとする。さらに,SNSごとにその特徴は違っており,利用方法も異なると考えるため,利用しているSNSの種類や利用頻度についても焦点を当てていくものとする。



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