4.各下位尺度相関
各下位尺度間の相関係数をTable3に示す。
4−1.各尺度内での下位尺度相関
Table3より,期待の受け止め方尺度の下位尺度である「積極的受け止め」と「負担的受け止め」の間に有意な負の相関がみられた。(r=−.539;p<.01)。「積極的受け止め」と「失望回避的受け止め」の間に有意な正の相関がみられた。(r=−.673;p<.01)。また,「負担的受け止め」と「失望回避的受け止め」の間に有意な負の相関がみられた(r=−.152;p<.05)。
教師認知尺度の下位尺度である「親近・平等」と「怖さ」の間に有意な正の相関がみられた(r=.341;p<.01)。「親近・平等」と「不適切な権力の行使」の間に有意な負の相関がみられた(r=−.310;p<.01)。また,「怖さ」と「不適切な権力の行使」の間に有意な正の相関がみられた(r=.190;p<.01)。そして,教師認知尺度・教師の行動・態度における評価尺度と尺度は異なるが,「適切な叱り」と「親近・平等」「怖さ」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.604;p<.01,r=.629;p<.01)。
対人葛藤方略スタイル尺度の下位尺度である「統合スタイル」と「回避スタイル」「相互妥協スタイル」の間に有意な正の相関がみられた(順にr=.292;p<.01,r=.673;p<.01)。「回避スタイル」と「強制スタイル」の間に有意な負の相関がみられた(r=−.193;p<.01)。「回避スタイル」と「自己譲歩スタイル」「相互妥協スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.512;p<.01,r=.374;p<.01)。「強制スタイル」と「自己譲歩スタイル」との間に有意な負の相関がみられた(r=−.141;p<.05)。また,「自己譲歩スタイル」と「相互妥協スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(r=.269;p<.01)。
4−2.期待の程度と期待の受け止め方との関連
期待の程度と期待の受け止め方尺度の下位尺度である「積極的受け止め」「失望回避的受け止め」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.395;p<.01,r=.288;p<.01)。また,期待の程度と「負担的受け止め」との間に有意な負の相関がみられた(r=−.256;p<.01)。
4ー3. 期待の程度と指導行動との関連
期待の程度と教師認知尺度の下位尺度である「親近・平等」との間に有意な正の相関がみられた(r=.351;p<.01)。期待の程度と教師の行動・認知の評価尺度の下位尺度である「適切な叱り」との間に有意な正の相関がみられた(r=.256;p<.01)。
4−4.期待の程度と対人葛藤方略スタイルとの関連
期待の程度と対人葛藤方略スタイル尺度の下位尺度である「統合スタイル」「強制スタイル」「相互妥協スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.350;p<.01,r=.145;p<.05,r=.235;p<.01)。
4−5.期待の受け止め方と指導行動との関連
期待の受け止め方尺度の下位尺度である「積極的受け止め」と教師認知尺度である下位尺度である「親近・平等」「怖さ」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.507;p<.01,r=.243;p<.01)。「積極的受け止め」と教師の行動・認知の評価尺度の下位尺度の「適切な叱り」との間に有意な正の相関がみられた(r=.427;p<.01)。「負担的受け止め」と「親近・平等」との間に有意な負の相関がみられた(r=−.240;p<.01)。「負担的受け止め」と「不適切な権力の行使」との間に有意な正の相関がみられた(r=.158;p<.05)。「失望回避的受け止め」と「親近・平等」「怖さ」「適切な叱り」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.482;p<.01,r=.288;p<.01,r=.423;p<.01)。
4−6.期待の受け止め方と対人葛藤方略スタイルとの関連
期待の受け止め方尺度の下位尺度である「積極的受け止め」と対人葛藤方略スタイルの下位尺度である「統合スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(r=.255;p<.01)。「失望回避的受け止め」と「統合スタイル」「自己譲歩スタイル」「相互妥協スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.303;p<.01,r=.142;p<.05,r=.167;p<.05)。
4−7.指導行動と対人葛藤方略スタイルとの関連
教師認知尺度の下位尺度である「親近・平等」と対人葛藤方略スタイルの下位尺度である「統合スタイル」「回避スタイル」「相互妥協スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.383;p<.01,r=.152;p<.05,r=.284;p<.01)。「怖さ」と「統合スタイル」「強制スタイル」「相互妥協スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.153;p<.05,r=.173;p<.05,r=.176;p<.05)。「不適切な権力の行使」と「強制スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(r=.159;p<.05)。教師の行動・認知の評価尺度の下位尺度である「適切な叱り」と「統合スタイル」「回避スタイル」「強制スタイル」「自己譲歩スタイル」「相互妥協スタイル」との間に有意な正の相関がみられた(順にr=.283;p<.01,r=.153;p<.05,r=.159;p<.05,r=.190;p<.01,r=.236;p<.01)。
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