3. 自尊感情の高低による4群のセルフ・モニタリング傾向について



 上記の要領で分類した4群について,セルフ・モニタリングの2因子それぞれで群ごとの平均値と標準偏差を算出した。また,4群ごとの平均値の違いが有意であるかを検討するため,自尊感情の高低により分けた4群を要因とした1要因分散分析を行った。その結果,どの群においても有意な差は見られなかった。 しかし,群ごとで数値を比較すると,自己呈示変容能力の平均値は状態自尊感情高,特性自尊感情高群が一番高く,その後,状態自尊感情低,特性自尊感情高群,状態自尊感情低,特性自尊感情高群,状態自尊感情低,特性自尊感情低群の順に高かった。これより,特性自尊感情が高い人の方が自己呈示変容能力が高いということがわかった。また,他者表出行動への敏感さの平均値に関しては,状態自尊感情高,特性自尊感情高群が最も高く,他の3群については数値の差があまり見られないという結果となった。これより,状態自尊感情,特性自尊感情ともに高い人は,セルフ・モニタリングも高い傾向にあると感じられた。



back/next