【結果】
4.疎外感について
4-4.疎外感と実際の活動経験の質について
事前質問紙の疎外感とESM調査で得た活動経験の質の関係性を明らかにするために,Pearsonの積率相関係数を算出した(Table7-9参照)。
4-4-1.疎外感と実際の活動経験の関連について
ESM調査で得た実際の活動経験の質(挑戦・能力・充実度・集中度・満足度・楽しさ・コントロール感・無我の程度・他者無意識)と疎外感尺度の尺度間においてPearsonの積率相関係数を算出した(Table7参照)。その結果,圧迫拘束感と満足度に負の相関が見られた(r=-.224, p<.05)。これらより,圧迫拘束感が高い人は活動中の経験における満足度が低いことが示された。
4-4-2.疎外感と活動種ごとの活動経験の質について
次にESM調査で得た活動経験を活動の種類ごとに分け,疎外感とPearsonの積率相関係数を算出した。その結果,身体的活動での経験と疎外感には相関が見られなかった。一方で社交的活動の能力と圧迫拘束感の間(r=-.333, p<.05),満足度と孤独感の間(r=-.323, p<.05),他者無意識の程度と自己嫌悪感の間(r=-.322, p<.05)に負の相関が見られた(Table8-9参照)。
これより,身体的活動と疎外感には関係があるとは言えず,社交的活動の一部の経験のみ疎外感と関係があることが示された。
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