【問題と目的】
2.日常生活とフローの関係性
浅川(2003)は,フローとは内発的に動機づけられた,自己の没入感覚をともなう「楽しい」経験であり,日常生活における最適経験として享受すると述べている。また,浅川(1999)は,フローは「自己効力感をともなう楽しい経験」を指し,日常生活の中で人が経験する生きがいや充実感と密接な関係を持つと述べている。つまり,フローは日常生活と密接に関係しており,多くの人が日頃,何気なく過ごしている中でフローを体験しているといえる。そのため,日常生活の中で人がどのような活動でフローに入っているのか,どのくらいフロー体験をしているのか,について調査することは非常に重要である。さらに,フローと密接に関連している充実感は日本人の精神的健康を考える上でも重要な心理的側面であり,精神的な健康を維持・促進していくためには,日常生活の中でいかに多くのフローを経験していくかが重要である(浅川,2003)ため,日常生活でのフローについて明らかにすることは非常に有効である。
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