5. 音楽速度と楽観性が課題前後の変化に及ぼす影響


5−1.精神テンポ
 音楽速度と楽観性の高さが精神テンポの変化にどのように影響しているのかについて検討するために,音楽3群と楽観性と課題前後の変化の要因を含めた3要因分散分析を行った.結果はTable23に示した通りである.
 その結果,課題前後の変化,音楽速度,楽観性の高さにおいて2次の交互作用が見られた(F(2,59)=4.425,p<.05).加えて,課題前後の変化による主効果が見られ(F(1,59)=38.295,p<.05),課題後の方が精神テンポは遅くなっていた.このことからさらに,単純交互作用と単純・単純主効果の検定を行った.また,それをグラフにしたのがFigure4である.

Figure4 精神テンポについて


5−1ー1. 課題前後の変化要因における音楽速度と楽観性の高さについて
 課題前後の変化を要因として,音楽速度と楽観性の高さの単純交互作用の検定を行った.課題後における音楽速度と楽観性の高さでは10%の水準の有意傾向が見られた(F(1,59)=3.09,p<.10).
 さらに,課題前後の変化を要因として,単純・単純主効果の検定を行った.結果として,音楽なし群の楽観性低群(F(1,59)=4.37,p<.05),音楽なし群の楽観性高群(F(1,59)=7.09,p<.05),遅い音楽群の楽観性高群(F(1,59)=7.30,p<.05),テンポの速い音楽群の楽観性低群(F(1,59)=24.73,p<.05)において課題前後の変化に単純・単純主効果が見られ,いずれも課題後の方が課題前よりも精神テンポが遅くなったことが示された.
Table23 事前事後の精神テンポ×音楽3群×楽観性の3要因分散分析


5−1ー2. 音楽速度要因における課題前後の変化と楽観性の高さについて
 音楽速度を要因として,課題前後の変化と楽観性の高さの単純交互作用の検定を行った.その結果,テンポの速い音楽群において,楽観性の高さと課題前後の変化による単純交互作用(F(1,59)=8.76,p<.05)が見られた.他の音楽速度においては有意な結果が得られなかった.これについてFigure5に示す.さらに,音楽速度を要因として,単純・単純主効果の検定を行った.結果として,有意な単純・単純主効果は見られなかった.

Figure5 速い音楽群における,課題前後の楽観性の高さによる単純交互作用


5−1ー3. 楽観性の高さ要因における課題前後の変化と音楽速度について
 楽観性の高さを要因として,課題前後の変化と音楽速度の単純交互作用の検定を行った.結果として,楽観性の高さにおいて,有意な単純交互作用は見られなかった.
 さらに,楽観性の高さを要因として,単純・単純主効果の検定を行った.結果として,テンポが速い音楽と課題後の精神テンポ(F(1,59)=9.57,p<.05)において単純・単純主効果が見られ,楽観性高群の方が楽観性低群よりも精神テンポが速いということが示された.



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