結果
7.後悔から得た気づきや教訓について
本研究では, 後悔を感じたことによって気付いたことや, 後悔を踏まえて生活に役立てている事といった後悔から得た教訓についても調査を行い, 外傷後成長以外の変化についても検討した. 外傷後成長などと関連のある「意図的熟考」高低群とストレスなどと関連のある「侵入的熟考」高低群に分類して記述内容について検討したため, 特徴的な内容を以下に記述する.
非行為後悔・行為後悔問わず, また, 「侵入的熟考」の高低問わず, 「意図的熟考」の高群において, 後悔した結果置かれている今の環境は変えられないが, その環境で努力したり今の環境を大切にしたりするという変化が見られた.
非行為後悔の「意図的熟考」高群×「侵入的熟考」高群と, 「意図的熟考」低群×「侵入的熟考」低群において, 自分よりも年齢の若い他者に対して, 自分と同じ後悔をしないように教訓を伝えたりしているという後悔の活かされ方をしていた.
非行為後悔の「意図的熟考」低群×「侵入的熟考」低群に変えられないことは仕方が無いという気づきがあった.
非行為後悔と行為後悔の「意図的熟考」高群×「侵入的熟考」高群において, 状況に適応しきれず経験の一つとして割り切り, 学びとれることを学ぼうとする姿勢が見られた.
行為後悔の「意図的熟考」低群×「侵入的熟考」低群や, 非行為後悔の「意図的熟考」低群×「侵入的熟考」高群においては, 納得できなくても周囲の為に自分が我慢すればよいと, 自己犠牲的になる変化が見られた.
行為後悔の「意図的熟考」低群×「侵入的熟考」高群において, 辛いことがあってもなんとも思わなくなったという変化が見られた.
行為後悔と非行為後悔の「意図的熟考」高群×「意図的熟考」高群において, 後悔も含めて, それが自分であるという変化が見られた.
非行為後悔の「意図的熟考」高群×「侵入的熟考」高群において, 後悔した出来事を笑いに変えることで, 雰囲気を悪くせず話しているという活かし方があった.
非行為後悔と行為後悔の「意図的熟考」低群×「侵入的熟考」高群において, 自分はクズであるといったような気づきが見られた.
行為後悔の「意図的熟考」高群×「侵入的熟考」高群において, 自分がいなくても世界は動き続けるという気づきがあった.
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