考察


11. 行為後悔の意味づけ過程における「気分転換的気そらし」の高低と「後悔直後の意図的熟考」の高低が「外傷後成長」に与える影響


 「外傷後成長」を従属変数として, 「気分転換的気そらし」(高・低群)×「後悔直後の意図的熟考」(高・低群)の重回帰分析を行った. その結果, 「気分転換的気そらし」×「後悔直後の意図的熟考」の交互作用は有意ではなかった. 主効果が見られたため単純主効果の検定を行った所, 「気分転換的気そらし」については, 高群・低群それぞれにおける「後悔直後の意図的熟考」の単純主効果が有意であり, 両群とも「後悔直後の意図的熟考」が高いほど, 「外傷後成長前の意図的熟考」が高かった. 「後悔直後の意図的熟考」高低群においては, 「気分転換的気そらし」の単純主効果は見られなかった. よって, 行為後悔においては非行為後悔のように, 意図的熟考を行いながら気分転換的気そらしを行ったほうがよいというようなことは無く, 後悔直後に意図的熟考を行うほど外傷後成長を遂げることが出来るということが明らかになった. これは, 仮説Aとは反する結果となったが, 行為後悔における意味づけ過程について明らかにすることが出来た.


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