考察


10. 行為後悔の意味づけ過程における外傷後成長前の熟考が外傷後成長へ与える影響


 行為後悔を感じてから数週間以上後, 外傷後成長前の意図的熟考・侵入的熟考から外傷後成長へ与える影響を, 後悔を感じ始めてからの経過期間で統制して検討するために, 共分散構造分析を行った. 修正指数に従ってモデルを修正した結果, 「外傷後成長前の意図的熟考」から「外傷後成長」へ有意な正の影響が見られた. しかし, 「外傷後成長前の意図的熟考」と「後悔を感じ始めてからの経過期間」から「外傷後成長」への有意な影響は見られなかった. つまり, 行為後悔を感じ始めてから数週間以上後, 外傷後成長前に, 意図的熟考を行うほど, より外傷後成長を遂げられるということである. よって, 仮説Cは支持された. また, 4.と同様に上條・湯川(2016)で明らかにされていなかった, 後悔を感じてから数週間以上経過後, 外傷後成長前の熟考が外傷後成長に及ぼす影響について明らかにする事が出来た.


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