考察
9. 行為後悔の意味づけ過程における後悔を感じ始めてからの経過期間と後悔直後の熟考が外傷後成長前の熟考へ与える影響
行為後悔直後の意図的熟考・侵入的熟考から外傷後成長へ与える影響を, 後悔を感じ始めてからの経過期間で統制して検討するために, 後悔直後の意図的熟考・侵入的熟考と後悔を感じ始めてからの経過期間を独立変数, 外傷後成長を従属変数とした共分散構造分析を行った. 修正指数に従ってモデルを修正した結果, 「後悔直後の意図的熟考」から「外傷後成長」へ有意な正の影響が見られた. しかし, 「後悔直後の侵入的熟考」から「外傷後成長」への有意な影響は見られなかった. つまり, 行為後悔を感じた直後に意図的熟考を行うほど外傷後成長を遂げられるということである. これは, 仮説Bと反する結果となった. 3.で非行為後悔における後悔直後の意図的熟考について検討したのと同様に, 後悔直後の意図的熟考から外傷後成長への正の影響が見られ, これは上條・湯川(2016)の分析結果とも一致する.
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