6. 本研究の目的


 本研究の目的は, 先行研究ではほとんど明らかにされていない, 人生で最も後悔した行為後悔と非行為後悔における意味づけ過程について検討することである. 本研究では後悔した直後の気そらしや反すうが外傷後成長前の反すうに及ぼす影響, 後悔から数週間以上経過後, 外傷後成長前に行う反すうが外傷後成長に及ぼす影響を明らかにする. また, 外傷後成長に影響することが明らかにされた項目について, 後悔の低減に影響しているかどうかを明らかにする. さらに,「後悔から得た気づき」, 「後悔したことを, 自分の人生にどのように役立てているか」についての記述を外傷後成長前の意図的熟考・侵入的熟考の高低群の組み合わせによって4群に分類し, それぞれの群で記述にどのような特徴があるのかを検討することで, 外傷後成長を遂げるためにどのような点に着目して熟考を行うと良いのかを明らかにしたい. また, 外傷後成長尺度に見られないような内容や, ポジティブともネガティブとも取れない内容の有無を確認することで, 外傷後成長尺度で測定しきれなかった後悔による成長感・変化を明らかにしたい.


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