2.各尺度得点とノスタルジア傾向(一般回答)
 にぎやかさ尺度について長・原口(2014)が作成した項目のうち, にぎやかさにかかわる因子を使用した. 伝統性尺度について文沢(1971)が作成した項目のうち,伝統性にかかわる因子を使用した.それぞれ6項目ずつ用いた. 一枚の写真につき12項目を8枚の画像でそれぞれ尋ねた.「にぎやかさ」「伝統性」それぞれについて平均値と標準偏差を求めた結果, どの項目にも天井効果・床効果は見られなかったため, そのまま分析に用いた.
長嶺・外山(2019)の特性nostalgiaを測定する尺度を用いた「ノスタルジア傾向」を高・低群に分け,それぞれ「にぎやかさ」と「伝統性」に有意差があるかどうか検討するために一要因分散分析を行った(Table4,5).

2.1.にぎやかさとノスタルジア傾向(一般回答)
 分散分析の結果,「にぎやかさ」と「ノスタルジア傾向」に一部有意な差が見られた(Table4).(順に, F(1,88)= 1.117,F(1,88)= 13.251, p<.001,F(1,88)= 9.007, p<.01,F(1,88)= 12.752, p<.01).



2.2.伝統性尺度とノスタルジア傾向(一般回答)
「伝統性」と「ノスタルジア傾向」は全てに有意な差が見られた(Table5). (順にF(1,88)= 11.264, p<.01,F(1,88)= 12.088, p<.01, F(1,88)= 11.801, p<.01, F(1,88)= 11.897 p<.01)



2.3.ノスタルジア傾向別各尺度得点(一般回答)
  2元配置(ノスタルジア傾向高・低群と4つの画像)の分散分析と多重比較を行った結果,「にぎやかさ」「伝統性」と「ノスタルジア傾向」に有意な差が見られたため,視覚化して比較できるよう,ノスタルジア傾向高・低群それぞれのにぎやかさ・伝統性評価を図にまとめた.(Figure10,11).比較するとどちらもそれぞれ最も「茶色」が有意に高かった.




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