居場所感


1.9 居場所感研究での注意

 居場所について研究をする際は、居場所を他者との関係に対する意味づけであると考えた場合、他者が何者であるかによって、居場所であると感じる度合いが変わってくるということが考えられる。具体的には、家族との関係では居場所であると感じることができても、友人間では居場所であると感じることができないという場面等が考えられる。よって、居場所感について研究を行うときは、調査対象者が居場所感に関して、友人と一緒にいるときのことであるのか、家族と一緒にいるときのことであるのかなどを区別できるように質問紙を構成する必要があると言える。
 また、更なる留意点として、居場所に関して研究を行う際は、調査対象者の年齢、所属などを加味して質問紙を構成する必要がある。具体例としては、石本(2010)は中学生と大学生を調査対象者とした居場所感に関するアンケートで、中学生に対しては家族関係、友人関係、クラス関係についての居場所感、大学生に対しては家族関係、友人関係、恋人関係についてどれくらい居場所感を感じるかについて質問をしていた。本研究においては大学生を対象とするため、クラス関係があるとは考えづらく、家族関係、友人関係についてどれくらい居場所感を感じるかについて質問を行う。 



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