結果と考察
2.活用方法・活用感の特徴語の検討
生徒たちが 5 日間の強み介入において,自分の強みを日常生活の中でどのように活用しているのか,また,自分の強みを活用することにより,心理的にどのような影響を受けるのかを明らかにすることを目的に,活用方法と活用感の特徴語を検討した。特徴語の検討には,KH Coder3を用いて対応分析を行った。抽出語に,活用方法,活用感,外部変数に日数,強みを選択し,組み合わせを変えながら分析を行った。
第1に,日数による活用方法の変化を調べた(Figure3)。1 日目は,休み明けであったことから,「家」「家族」といった語が見られ,全体の分布も 2 日目から 5 日目とは離れた位置に見られた。2 日目は,救命入門講座が実施されたことから,その授業において強みを活用した記述が見られた。3 日目は,「ノート」「友だち」「手伝う」といった言葉が並んだ。4 日目は,「見せる」「教える」「給食」「仕事」「授業」「考える」「学校」「休み」と動詞や場所を表す語が多く見られた。5 日目は,「勉強」「教科」「体育」「美術」といった授業に関連する語が特徴的であった。日数に関係なく見られた語としては,「面白い」「頑張る」「人」「子」「集める」「先生」が挙げられた。
活用方法と日数の検討から,生徒たちはその日の出来事に合わせて自分の選んだ強みを活用していたことが分かった。そして,1 日目から 5 日目にかけて抽出された特徴語の種
類が増えていることから,活用場面や活用方法の広がりが見られたことが分かる。生徒たちは主に学校生活において,授業中や休み時間,給食の時間,登下校の時間など様々な場面で強みを活用していることが分かった。また,日数を重ねるにつれて,生徒達は様々な活用方法に気づき,実行できていたことが分かった。
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