4.結果


4-2.友人関係満足度の差

4-2-1.コミュニケーション構造による満足度の差

comcon型とwheel型による友人関係満足度の違いを検討するため、友人関係満足尺度17項目について対応のないt検定を行った(Table11)。項目14「傷つけないよう言葉遣いに配慮する程度」以外の全ての項目において、comcon型がwheel型よりも有意に満足度が高かった。さらに、comcon型とwheel型の各因子平均を算出し、対応のないt検定を行った(Table12)。その結果、第1因子「会話満足」、第2因子「関係距離満足」はcomcon型がwheel型よりも満足度が0.1%水準で有意に高く(第1因子(t(212)=9.865,p<.001),第2因子(t(212)=8.043,p<.001))、第3因子「自他尊重満足」はcomcon型がwheel型よりも満足度が1%水準で有意に高かった(t(212)=2.834,p<.005)。


4-2-2.上下関係の有無による満足度の差

wheel 型において、グループのメンバーの間に上下関係がある場合と無い場合での友人関係満足度の違いを検討するため、友人関係満足尺度 17 項目について対応のない t 検定を行った(Table13)。項目 1「スムーズに意思疎通が行え、話がはずむ程度」、項目 2「テンポよく会話ができる程度」、項目 3「冗談を言い合える程度」、項目 5「一緒に話していて楽しいと感じられる程度」、項目 6「一緒に話していて気を遣わず、互いに素を出せる程度」の 5 つの項目において、メンバーの中に上下関係が無いと答えた人の方が、上下関係があると答えた人よりも有意に満足度が高かった。

上下関係ありと上下関係なしで各因子平均を算出し対応のない t 検定を行った(Table14)。その結果、第 1 因子「会話満足」のみ上下関係なしと答えた人の方が上下関係ありと答えた人よりも満足度が有意に高かった(t(105)= -2.495, p < 0.05)。

comcon 型については、メンバーの間に上下関係が無いと答えた人が約 90%とほとんどだったため t 検定は行わなかった。

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