4. 階層的重回帰分析による検討




 ほめられ経験とほめられ反応への影響から学校享受感への影響を検討するため,階層的な重回帰分析を全学年,2年生,4年生, 6年生別に行った。(Figure1,Figure2,Figure3,Figure4)。


4−1.児童のほめられ反応を従属変数とした重回帰分析による検討

 児童のほめられ反応に対する下位尺度「意欲促進」「ほめとまどい」をそれぞれ従属変数に,ほめられ経験の下位尺度「成長の称賛」「努力の称賛」「主観的な称賛」「日常の称賛」を独立変数にした重回帰分析を行った。なお,独立変数は強制投入法により投入した。

 その結果,全学年では「努力の称賛」から「意欲促進」に有意な正な影響がみられた(β=.295;p<.05)。「日常の称賛」から「意欲促進」,「ほめとまどい」に有意な正の影響がみられた(順にβ= .322 , p < .01;β= .344, p < .01)。

 2年生では「主観的な称賛」から「意欲促進」に有意な負の影響がみられた(β=−.471,p<.05)。「日常の称賛」から「意欲促進」に有意な正の影響がみられた(β=.719,p < .01)。

 4年生では「努力の称賛」と「日常の称賛」から「ほめとまどい」に有意な正の影響がみられた(順にβ=.577,p < .05;β= .562, p < .01)また「主観的な称賛」から「ほめとまどい」から「ほめとまどい」に有意な負の影響がみられた(β=−.354,p < .05)。


4−2.学校享受感を従属変数とした重回帰分析による検討

 学校享受感尺度を従属変数に,ほめられ経験尺度の下位尺度「成長の称賛」「努力の称賛」「主観的な称賛」「日常の称賛」またはほめられ反応尺度「ほめ反応」「ほめとまどい」をそれぞれ独立変数にした重回帰分析を行った。なお,独立変数は強制投入法により投入した。

 その結果,全学年,2年生,6年生で「意欲促進」から「学校享受感」の有意な正の影響がみられた(順にβ=.392, p < .001;β=.509, p < .01;β=.406, p < .01)。  

  









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