2. 児童のほめられ反応が学校享受感に及ぼす影響について
仮説4について,階層的な重回帰分析の結果,全学年,2年生,6年生において「意欲促進」から「学校享受感」に正の影響がみられたので,4年生ではみられなかったが一部支持された。渡邊・藤井(2018)は教師からの賞賛は子ども自身の満足度を向上させることや,学校生活を楽しく過ごすことにおいて重要な行動と述べている。また,青木(2018)は,信頼している先生からほめられたときの感情は低学年,中学年,高学年と学年関係なく肯定的な感情が報告されやすいということを示唆した。くわえて古市・玉木(2013)は教師からのほめられ経験は子どもの自尊感情を媒介して学校生活享受感情に影響を及ぼすことを示唆した。本研究の「意欲促進」にはこれらのような内容を含む「ほめられると自信がもてる」「ほめられるとその先生をいい感じだと思う」といった項目があることから,意欲促進の反応は学校享受感に正の影響を及ぼしたと考えられる。
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