5.本研究の目的


清水・相良(2019)はレジリエンスに影響を及ぼす要因として,個人要因のIWM,環境要因の家族関係,教師関係に注目し,IWMはレジリエンスに直接的な影響を与え,家族関係や教師関係を介した間接的な影響を与えるというモデルを検証し,モデルは支持された。しかし,清水・相良(2019)はレジリエンスを身に付けやすい要因,身に付けにくい要因に分けて考えておらず,環境要因,個人要因が今後身に付けることのできるレジリエンスにどの程度影響を与えているのかを検討していない。また,家族関係については被験者自身の家族に必要とされている,関心を持たれているといった家族自己有用感を測っており,具体的にどのような家庭がIWMの安定やレジリエンスの向上につながるのかを検討していない。これらを検討することによって,家庭環境によって向上させることのできるレジリエンスや,家庭環境に関係なく向上させることのできるレジリエンスを知ることができる。
そこで,本研究ではどのような家庭がIWMを安定させ,どのようなレジリエンスを高めることができるのかを明らかにすることを目的とする。



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