5-1．対面状況の友人に対する同調性と心理的距離と自己開示の種類を独立変数とした重回帰分析
全回答者395名における階層的重回帰分析の結果をFigure3に示す。「同調性」から「家族・生活」(β=.143:p<.01)，「人間関係」(β=.145:p<.01)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.458:p<.001)，「家族・生活」(β=-.279:p<.001)，「人間関係」(β=-.247:p<.001)，「社会的話題」(β=-.404:p<.001)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「同調性」(β=.137:p<.01)，「心理的距離」(β=.395:p<.01)から有意な正の影響がみられ，「人生・生きがい」(β=-.159:p<.05）から有意な負の影響がみられた。
5-1-1-1．SNS上の友人なし群における重回帰分析
SNS上の友人の有無によって孤独感に与える影響が異なるのかを検証するため，SNS上の友人なしと回答した304名における階層的重回帰分析を行った(Figure4)。その結果，「同調性」から「家族・生活」(β=.116:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.461:p<.001)，「家族・生活」(β=-.279:p<.001)，「人間関係」(β=-.230:p<.001)，「社会的話題」（β=-.433:p<.001）に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「同調性」(β=.120:p<.05)，「心理的距離」(β=.375:p<.001)から有意な正の影響がみられ，「人生・生きがい」(β=-.186:p<.01)から有意な負の影響がみられた。
5-1-1-2．SNS上の友人なし群における重回帰分析の性差の検討
SNS上の友人なしと回答した304名において男女で性差があるのかどうかを検討するため，男子152名，女子146名それぞれで階層的重回帰分析を行った。その結果，男子152名では，「同調性」から「家族・生活」(β=.184:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.454:p<.001)，「家族・生活」(β=-.238:p<.01)，「人間関係」(β=-.238:p<.01)，「社会的話題」(β=-.381:p<.001)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「心理的距離」(β=.289:p<.001)から有意な正の影響がみられ，「人生・生きがい」(β=-.304:p<.01)から有意な負の影響がみられた(Figure5)。女子146名では，「同調性」からは自己開示の下位尺度へ影響は見られず，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.446:p<.001)，「家族・生活」(β=-.293:p<.001)，「人間関係」(β=-.216:p<.01)，「社会的話題」(β=-.444:p<.001)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「同調性」(β=.170:p<.05)，「心理的距離」(β=.468:p<.001)から有意な正の影響がみられ，自己開示の下位尺度から孤独感へは影響がみられなかった(Figure6)。
5-1-2-1．SNS上の友人ありの回答者における重回帰分析
SNS上の友人の有無によって孤独感に与える影響が異なるのかを検討するために，SNS上の友人ありと回答した91名において階層的重回帰分析を行った。その結果，「同調性」から「人生・生きがい」(β=.216:p<.05)，「人間関係」(β=.245:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.426:p<.001)，「家族・生活」(β=-.277:p<.01)，「人間関係」(β=-.296:p<.01)，「社会的話題」(β=-.319:p<.01)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「心理的距離」(β=.152:p<.001)から有意な正の影響がみられた。なお，「同調性」，自己開示の各下位尺度からは孤独感への影響は見られなかった(Figure7)。
5-1-1-2．SNS上の友人あり群における重回帰分析の性差の検討
SNS上の友人ありと回答した91名において男女で性差があるのかどうかを検討するため，男子35名，女子51名それぞれで階層的重回帰分析を行った。その結果，男子35名では，「同調性」から「人生・生きがい」(β=.297:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.502:p<.01)，「人間関係」(β=-.371:p<.05)，「社会的話題」(β=-.559:p<.001)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「心理的距離」(β=.669:p<.001)，「人間関係」(β=.627:p<.05)から有意な正の影響がみられた(Figure8)。女子51名では，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.340:p<.05)へ有意な負の影響がみられたのみで，孤独感へは影響がみられなかった(Figure9)。
5-2-1．SNS上の友人に対する同調性と心理的距離と自己開示の種類を独立変数とした重回帰分析
対面状況の友人に対する友人関係及び自己開示から孤独感へ与える影響とSNS上の友人に対する友人関係及び自己開示から孤独感へ与える影響が異なるのかを検討するため，SNS上の友人ありと回答した91名におけるSNS上の友人に対する「同調性」「心理的距離」及び自己開示の下位尺度「人生・生きがい」「家族・生活」「人間関係」「社会的話題」を独立変数，孤独感を従属変数として階層的重回帰分析を行った。その結果，「同調性」から「人生・生きがい」(β=.232:p<.05)，「家族・生活」(β=.403:p<.001)，「人間関係」(β=.394:p<.001)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.374:p<.001)，「人間関係」(β=-.204:p<.05)，「社会的話題」(β=-.414:p<.001)に有意な負の影響がみられた。なお孤独感へは影響がみられなかった(Figure10)。
5-2-2．SNS上の友人に対する重回帰分析における性差の検討
SNS上の友人に対する友人関係及び自己開示が孤独感へ与える影響について，男女差があるのかを検討するため，SNS上の友人ありと回答した91名のうち男子35名，女子51名それぞれで階層的重回帰分析を行った。その結果，男子35名では，「同調性」から「人間関係」(β=.396:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.337:p<.05)，「社会的話題」(β=-.619:p<.001)に有意な負の影響がみられたが，孤独感へは影響がみられなかった(Figure11)。女子51名では，「同調性」から「家族・生活」(β=.413:p<.01)，「人間関係」(β=.329:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人間関係」(β=-.204:p<.05)へ有意な負の影響がみられ，孤独感へは影響がみられなかった(Figure12)。
仮説5は一部支持された。
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SNS上の友人の有無によって孤独感に与える影響が異なるのかを検証するため，SNS上の友人なしと回答した304名における階層的重回帰分析を行った(Figure4)。その結果，「同調性」から「家族・生活」(β=.116:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.461:p<.001)，「家族・生活」(β=-.279:p<.001)，「人間関係」(β=-.230:p<.001)，「社会的話題」（β=-.433:p<.001）に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「同調性」(β=.120:p<.05)，「心理的距離」(β=.375:p<.001)から有意な正の影響がみられ，「人生・生きがい」(β=-.186:p<.01)から有意な負の影響がみられた。
SNS上の友人なしと回答した304名において男女で性差があるのかどうかを検討するため，男子152名，女子146名それぞれで階層的重回帰分析を行った。その結果，男子152名では，「同調性」から「家族・生活」(β=.184:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.454:p<.001)，「家族・生活」(β=-.238:p<.01)，「人間関係」(β=-.238:p<.01)，「社会的話題」(β=-.381:p<.001)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「心理的距離」(β=.289:p<.001)から有意な正の影響がみられ，「人生・生きがい」(β=-.304:p<.01)から有意な負の影響がみられた(Figure5)。女子146名では，「同調性」からは自己開示の下位尺度へ影響は見られず，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.446:p<.001)，「家族・生活」(β=-.293:p<.001)，「人間関係」(β=-.216:p<.01)，「社会的話題」(β=-.444:p<.001)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「同調性」(β=.170:p<.05)，「心理的距離」(β=.468:p<.001)から有意な正の影響がみられ，自己開示の下位尺度から孤独感へは影響がみられなかった(Figure6)。
SNS上の友人の有無によって孤独感に与える影響が異なるのかを検討するために，SNS上の友人ありと回答した91名において階層的重回帰分析を行った。その結果，「同調性」から「人生・生きがい」(β=.216:p<.05)，「人間関係」(β=.245:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.426:p<.001)，「家族・生活」(β=-.277:p<.01)，「人間関係」(β=-.296:p<.01)，「社会的話題」(β=-.319:p<.01)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「心理的距離」(β=.152:p<.001)から有意な正の影響がみられた。なお，「同調性」，自己開示の各下位尺度からは孤独感への影響は見られなかった(Figure7)。
SNS上の友人ありと回答した91名において男女で性差があるのかどうかを検討するため，男子35名，女子51名それぞれで階層的重回帰分析を行った。その結果，男子35名では，「同調性」から「人生・生きがい」(β=.297:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.502:p<.01)，「人間関係」(β=-.371:p<.05)，「社会的話題」(β=-.559:p<.001)に有意な負の影響がみられた。また，「孤独感」に「心理的距離」(β=.669:p<.001)，「人間関係」(β=.627:p<.05)から有意な正の影響がみられた(Figure8)。女子51名では，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.340:p<.05)へ有意な負の影響がみられたのみで，孤独感へは影響がみられなかった(Figure9)。
対面状況の友人に対する友人関係及び自己開示から孤独感へ与える影響とSNS上の友人に対する友人関係及び自己開示から孤独感へ与える影響が異なるのかを検討するため，SNS上の友人ありと回答した91名におけるSNS上の友人に対する「同調性」「心理的距離」及び自己開示の下位尺度「人生・生きがい」「家族・生活」「人間関係」「社会的話題」を独立変数，孤独感を従属変数として階層的重回帰分析を行った。その結果，「同調性」から「人生・生きがい」(β=.232:p<.05)，「家族・生活」(β=.403:p<.001)，「人間関係」(β=.394:p<.001)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.374:p<.001)，「人間関係」(β=-.204:p<.05)，「社会的話題」(β=-.414:p<.001)に有意な負の影響がみられた。なお孤独感へは影響がみられなかった(Figure10)。
SNS上の友人に対する友人関係及び自己開示が孤独感へ与える影響について，男女差があるのかを検討するため，SNS上の友人ありと回答した91名のうち男子35名，女子51名それぞれで階層的重回帰分析を行った。その結果，男子35名では，「同調性」から「人間関係」(β=.396:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人生・生きがい」(β=-.337:p<.05)，「社会的話題」(β=-.619:p<.001)に有意な負の影響がみられたが，孤独感へは影響がみられなかった(Figure11)。女子51名では，「同調性」から「家族・生活」(β=.413:p<.01)，「人間関係」(β=.329:p<.05)へ有意な正の影響がみられ，「心理的距離」から「人間関係」(β=-.204:p<.05)へ有意な負の影響がみられ，孤独感へは影響がみられなかった(Figure12)。
仮説5は一部支持された。