結果
3.教師から得られる精神的効果に関する各尺度の因子分析と信頼性係数
教師から得られる精神的効果に関する各尺度について,本研究で扱った26項目から,因子を構成する項目が1項目であった,「学習の目的が分からない」「学習はクラスメイトが期待するからやっている」「学習は自分がクラスメイトに認められたいからしている」の3項目と,十分な信頼性が得られなかったため,「一般的に人は,正直であると思う」の1項目を削った22項目を,探索的因子分析を行ったところ,元とした尺度における因子構造と異なっていたため,同じく22項目をそれぞれ元にした尺度から抜粋した9因子の下位尺度通りにJASP0.19.1.0による確認的因子分析を行った(Table3)。本研究では項目を教師について回答できるように構成し直している。また,元の尺度より,教員について回答するのが難しい因子,項目や,教師の内面性について回答できない因子,項目については除外している。その結果,充実感尺度の適合度指標として,CFI=1.000,RMSEA=0.000,SRMR=0.000,自ら学ぶ意欲測定尺度の適合度指標として,CFI=1.000,RMSEA=0.000,SRMR=0.021,被受容感尺度と被拒絶感尺度の適合度指標として,CFI=0.929,RMSEA=0.115,SRMR=0.073,対人信頼感尺度の適合度として,CFI=1.000,RMSEA=0.000,SRMR=0.021という値となったため,このモデルを採用した。学習動機づけ尺度は,解が算出されなかった。
充実感尺度は,第1因子について,元の尺度の因子名の通りに命名した。第1因子を構成する項目は,充実した学校生活を送ることが出来ているかどうかを示すことから「一般的充実感気分」とした。
学習意欲を測る尺度は,第1因子,第2因子,第3因子について,元の尺度の因子名の通りに命名した。第1因子を構成する項目は,学んだことを身近なことに関連付けながら振り返ろうとしているかどうかを示すことから「深い思考」,第2因子を構成する項目は,目標に向かって自発的に学習に取り組もうとしているかどうかを示すことから「積極探求」,人任せにせずに自分の力で成し遂げようとしているかどうかを示すことから「独立達成」とした。
被受容感尺度と被拒絶感尺度は,第1因子,第2因子について,元の尺度の因子名の通りに命名した。第1因子を構成する項目は,教師やクラスメイトにどれくらい受け入れられていると感じているのかということに関する児童,生徒の自己認知であることから「被受容感」,第2因子は,反対にどれくらい拒絶されていると感じるかということに関する児童,生徒の自己認知であることから「被拒絶感」とした。
学習動機づけ尺度は,第1因子,第2因子について,元の尺度の因子名の通りに命名した。 第1因子を構成する項目は,自分に有益なことであるから学習をしようとしていることを示すことから「同一化的調整」,第2因子を構成する項目は,自ら進んで学習したいと考えられているかを示すことから「内発的調整」とした。
対人信頼感尺度は,第1因子について,元の尺度の因子名の通りに命名した。第1因子を構成する項目は, 教師や他のクラスメイトに対してどれくらい信頼感を抱いているかという児童,生徒の自己認知であることから「対人信頼感」とした。
各因子を構成する項目を足し合わせ,項目数でわり,尺度得点を算出した。そして,下位尺度ごとに平均値と標準偏差および信頼性係数としてα係数を求めた(Table4)。その結果,一般的充実感はα=0.794,深い思考はα=0.695,積極探求はα=0.822,独立達成はα=0.602,被拒絶感はα=0.796 ,同一化的調整はα=0.802,内発的調整はα=0.743,対人信頼感はα=0.628と十分な信頼性が得られたため,この尺度構成を用いて分析を進めた。被受容感はα=0.591と十分な信頼性は得られなかったが,重要な要素であるため,このまま用いて分析を進めた。
4.推しから得られる精神的効果に関する各尺度の因子分析と信頼性係数
推しから得られる精神的効果に関する各尺度について,本研究で扱った26項目から,因子を構成する項目が1項目であった「推し活動の目的が分からない」「推し活動は推しや,周りのファンが期待するからやっている」「推し活動は自分が,推しや,他のファンに認められたいからしている」の3項目と,十分な信頼性が得られなかったため,「一般的に人は,正直であると思う」の1項目を削った22項目を,探索的因子分析を行ったところ,元とした尺度における因子構造と異なっていたため,同じく22項目をそれぞれ元にした尺度から抜粋した9因子の下位尺度通りにJASP0.19.1.0による確認的因子分析を行った(Table5)。本研究では項目を推しについて回答できるように構成し直している。また,元の尺度より,推しについて回答するのが難しい因子,項目や,推しの内面性について回答できない因子,項目については除外している。その結果,充実感尺度の適合度指標として,CFI=1.000,RMSEA=0.000,SRMR=0.000,自ら活動する意欲測定尺度の適合度指標として,CFI=0.946,RMSEA=0.247,SRMR=0.051,被受容感尺度と被拒絶感尺度の適合度指標として,CFI=1.000,RMSEA=0.000,SRMR=0.040,活動動機づけ尺度の適合度指標として,CFI=1.000,RMSEA=0.000,SRMR=0.007,対人信頼感尺度の適合度として,CFI=0.929,RMSEA=0.116,SRMR=0.049という値となったため,このモデルを採用した。
充実感尺度は,第1因子について,元の尺度の因子名の通りに命名した。第1因子を構成する項目は,充実した生活を送ることが出来ているかどうかを示すことから「一般的充実感気分」とした。
活動意欲を測る尺度は,第1因子,第2因子,第3因子について,元にした自ら学ぶ意欲測定尺度の因子名の通りに命名した。第1因子を構成する項目は,推し活動を身近なことに関連付けながら振り返ろうとしているかどうかを示すことから「深い思考」,第2因子を構成する項目は,目標に向かって自発的に推し活動に取り組もうとしているかどうかを示すことから「積極探求」,人任せにせずに自分の力で成し遂げようとしているかどうかを示すことから「独立達成」とした。
被受容感尺度と被拒絶感尺度は,第1因子,第2因子について,元の尺度の因子名の通りに命名した。第1因子を構成する項目は,推しや他のファンにどれくらい受け入れられていると感じているのかということに関する自己認知であることから「被受容感」,第2因子は,反対にどれくらい拒絶されていると感じるかということに関する自己認知であることから「被拒絶感」とした。
活動動機づけ尺度は,第1因子,第2因子について,元にした学習動機づけ尺度の因子名の通りに命名した。 第1因子を構成する項目は,自分に有益なことであるから推し活動をしようとしていることを示すことから「同一化的調整」,第2因子を構成する項目は,自ら進んで推し活動をしたいと考えているかを示すことから「内発的調整」とした。
対人信頼感尺度は,第1因子について,元の尺度の因子名の通りに命名した。第1因子を構成する項目は,推しや他のファンに対してどれくらい信頼感を抱いているかという自己認知であることから「対人信頼感」とした。
各因子を構成する項目を足し合わせ,項目数でわり,尺度得点を算出した。そして,下位尺度ごとに平均値と標準偏差および信頼性係数としてα係数を求めた(Table6)。その結果,一般的充実感はα=0.842,深い思考はα=0.928,積極探求はα=0.741,独立達成はα=0.612,被受容感はα=0.601,被拒絶感はα=0.729 ,同一化的調整はα=0.889,内発的調整はα=0.859,対人信頼感はα=0.625と十分な信頼性が得られたため,この尺度構成を用いて分析を進めた。
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