3. 社会的クリティカルシンキング
廣岡ら(2000)は,批判的思考をしようとするクリシン志向性の尺度構成を「客観的で冷静な判断」,「探究的・追究的思考」,「誠実さと他者を尊重する態度」からなるとしている。客観的で冷静な判断(第1因子)と探究的・追究的思考(第2因子)には,他者の存在を必要としない論理的な思考だと主張する。
一方,誠実さと他者を尊重する態度(第3因子)は,他者の存在が必要なものだと強調する。この結果を踏まえ,廣岡ら(2001)では,他者の存在を想定したもの(social版)と他者の存在を必要としないもの(non-social版)で尺度を分け,対人・社会的な状況で発揮される批判的思考は「社会的クリティカルシンキング」と呼んでいる。
また,誠実さと他者を尊重する態度(第3因子)など批判的思考の文脈や文化に依存する思考を重要視する流れは「第2波」と呼ばれ,批判的思考が完全な論理主義とされることは非現実的だと訴えている(Walters, 1994)。楠見ら(2011)では,批判的思考の論理的正しさだけでなく,他者に寛容で尊重する姿勢をもつことで,多様な価値観をもつ個人が生活する日常に適したものとなると言及されている。
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