T.実験対象
津市内M保育所の3〜22ヶ月児 14名
実施に際しては、保育園長を通じて許可を得た。
U. 設備等
長机 1 椅子 2 ビデオカメラ 1 三脚 1
部屋は、保育所内の医務室を使用した。
V.実験期日
平成14年10月24日および平成14年11月4日
W.用いる刺激
赤ちゃんに提示する刺激として、以下の6種類を用いる。
A.ペットボトルに水を満たし、色のついた素材を入れたもの。
a.光を反射する素材、7mm角。赤、ピンク、銀、緑、青、各20枚。計100枚。
b.セロファン、7mm角。赤、黄、緑、青、各25枚。計100枚。
c.光を反射する素材、3mm角。赤、ピンク、銀、緑、青、各30枚。計230枚。
d.セロファン、3mm角。赤、黄、緑、青、各37〜38枚。計230枚。
B.ペットボトルに色のついた素材を入れたもの。
e.光を反射する素材、7mm角。赤、ピンク、銀、緑、青、各20枚。計100枚。
f.セロファン、7mm角。赤、黄、緑、青、各25枚。計100枚。
X.実験の方法
実験者は机の前の椅子に座り、その正面の椅子に、被験者である赤ちゃんが保育士に抱い
てもらい座る。実験者は上のa〜fの刺激を提示し、それぞれに対する赤ちゃんの反応をビ
デオカメラで撮影する。
提示の方法は、素材をペットボトルの下方にためた状態のものを、ペットボトルのふたの
部分を握ってひっくり返し、素材が落ちる様子を見えるようにする。実験者の服などにより
刺激が見えにくくなるのを防ぐため、白い画用紙(380mm×270mm)の後ろに刺激を用意
し、刺激を、ひっくり返すと同時に画用紙の前に出す。刺激を持つ手と机の間は5cm程度と
した。実験者と被験児は机をはさんで向かい合っているが、刺激提示中は、被験児には画用
紙で隠れていない実験者の目から上の部分しか見えなかった。
Y.分析の方法
実験後、撮影したVTRによって注視時間を計測し、それぞれの刺激について比較する。
タイムサンプリング法により、刺激注視以外の反応や行動なども記録したが、本実験では異
なる刺激に対する反応について検討するため、分析では刺激への注視行動を取り上げた。そ
の他の行動などは考察での記述にとどめた。
被験児14名のうち8名が実験の両日に参加しており、そのうち、1名が実験中に泣き出して
しまったため中止した。他3名は最後まで実験を行ったが、不安が強く刺激に対する注視を比
較できないと思われたため分析の段階で除いた。さらに、1名については全体的な討論でも述
べるが、どの刺激においても実験者とのやりとりを楽しんでおり、注視行動として分析する
ことが適切でないと考え、除くこととした。よって、サンプル数を18として分析を行った。
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