T.質問紙の内容
質問紙は以下の@)〜Y)の項目群から成り立っていた。
@)フェイスシート
対象者の年齢・対象となる子どもの年齢・対象となる子どもの性別・現在同居している家
族構成・対象者の仕事の状況・育児に関する考え・父親以外のサポートを必要とする頻度・
父親以外のサポートで必要とするサポートの種類について回答してもらった。
A)育児ストレッサー尺度
調査項目は、日下部・坂野(1999)が作成した3歳児の母親を対象とした31項目からなる
育児ストレッサー尺度を、植村・三浦・野口・船越・小川・榮・松村(2002)が因子分析し
たものを参考にして作成した。項目数が多いことで対象者が苦痛を感じないようにするため
、各因子それぞれ因子負荷量の低いものから項目数を減らした。また第V因子「一人きりで
子育てしていること」の4項目は、対象者の中に専業主婦がいないので、内容が適当でないた
め削除した。最終的に31項目のうち20項目を使用した。質問項目には、「全く悩んでいない
」「あまり悩んでいない」「少し悩んでいる」「非常に悩んでいる」の4件法で回答を求め
た。
B)父親育児サポートに対する期待感
調査項目は、家庭教育研究 第1回白書(1998)で使用された、『子育てに関するアンケ
ート』のQ4の父親の役割について聞いた16項目を参考に作成した。16項目のうち「何か1つ
でも育児上のしつけをしっかりやってくれること」という項目は、内容が消極的であるとい
う点から削除し、残りの15項目を使用した。15項目それぞれについて、日常生活の中で父親
にどれだけ期待しているかを答えてもらった。質問項目には、「期待していない」「あまり
期待していない」「やや期待している」「期待している」の4件法で回答を求めた。
C)実際の父親育児サポート
B)の「父親育児サポートに対する期待感」と同じ15項目それぞれについて、日常生活の
中で父親は実際にどの程度行っているのかを答えてもらった。質問項目には、「していない
」「あまりしていない」「たまにしている」「いつもしている」の4件法で回答を求めた。
X)父親のサポートに対する自由記述
父親のサポートに対してどのように感じているか、自由に書いてもらった。
Y)ストレス反応尺度
調査項目は、新名・坂田・弥冨・本間(1990)が作成した心理的ストレス尺度(Psychol-
ogical Stress Response Scales; 以下PSRSと記す。)を参考に作成した。PSRSとは、情動反
応の4下位尺度26項目と認知・行動反応の9下位尺度27項目の、合計13下位尺度53項目からな
る尺度である。今回の研究では、A)の「育児ストレッサ―尺度」同様、対象者の苦痛を軽減
するため、各因子ごとに項目数を減らし、最終的に53項目のうち17項目を利用した。質問項目
には、「全くちがう」「いくらかそうだ」「まぁそうだ」「その通りだ」の4件法で回答を求
めた。
U.調査の時期と調査対象者
@)調査の時期
2003年10月下旬から12月上旬にかけて実施された。
実施方法は、保育園の先生に質問紙を配布してもらい、保育園内に回収ボックスを設置し、
後日回収に伺った。
A)調査対象者
M県内にある保育園に調査を依頼し、協力を得ることができた公立保育園4園で168名と私立
保育園1園で56名の計224名に配布した。回収138名(回収率61.6%)のうち有効回答数116名
(有効回答率84.1%)を分析対象とした。
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