児童のためのマルチメディア情報発信支援システムの開発とその利用効果

■第2章

システムの開発
2.1 システムの概要 2.2 作成支援 2.3 発信支援 2.4 活用支援 ←それぞれのページにリンクしています

2.4 活用支援
「活用支援」では,ユーザーの情報交流・蓄積ができるようにした。ここが,ユーザーの情報を生かし,活用していこうと考える「ユーズウェア」の部分である。具体的には,「発信事例集」・「アンケート」・「投稿情報」がある。
「発信事例集」には,実際に作成されたWebページが,教科別・学年別に集められており,作成時間・活用場面等のユーザ情報もある。また,定型のひな形で作成されたページをアレンジした事例集(プチ改造例)を設け,児童の発信したいWebページ形により近づくことができるような支援情報を作成者参加型で集める。
「アンケート」では,使ってみた評価・感想等が書き込めWeb上で実施・集計できる仕組みを持っている。アンケートに書き込まれた感想等は「投稿情報」のコーナーで情報蓄積される仕組みをとっている。


2.4.1 発信事例集
 事例集は大きく分けて「アレンジ事例集」と「教科別・学年別事例集」に分かれている。
 「アレンジ事例集」では,ひな形マニュアルでは決まった形のものしか作れないというデメリットを補うために用意した。作成テーマに沿った,アレンジ方法・工夫についての事例紹介・解説をしている。
 「教科別・学年別事例集」は,教師が作成したものも含め,数百の支援マニュアルを使って作成されたWebページを,教科別・学年別に集めた。


2.4.1.1 アレンジ事例集 
 作成マニュアルが一定のひな形を使っているため,できあがったWebページの形が画一的になりがちである。
 そこで,ユーザーが「ここをちょっと工夫してこう変えてみた」という「プチ改造例」の事例を図2−14のように集めてある。これは,実際にアレンジした作成者の作ったページにリンクを貼って,どのような場面でどのようなアレンジをしたのかがわかるような仕組みになっている。
 これらの例を見て,発信の方法や作成の変化活用のヒントになればと考えている。


図2−14 アレンジ例リスト


2.4.1.2 教科別・学年別事例集
ここでは,作成されたWebページを「教科別」(図2−15)と「学年別」(図2−16)に分けてある。教科別では,教科名だけではなく,作成されたページの単元名・学年も一緒に表示してある。どの教科のどの部分でユーザーがWebページを作成しているかを把握することができ,活用するときに具体的イメージがわきやすいのではないかと考える。特に,Webページ作成初期の場合,どのような内容を発信していけば良いのかのヒントになると考える。


図2−15 「教科別利用例」画面

「学年別」では,まだ,システム内に十分な事例が集まっていないため,現在のところ勤務校である津市立南立誠小学校ホームページの学年別のコーナーにリンクがはってある。将来的には,事例を蓄積していき,システム内に「学年別事例集」を作成する予定である。

2.4.2 アンケート
 作成支援マニュアルの使用感を,ユーザーから取ったアンケートを用いて,改善に役立てる。
 この「アンケート」は,「教師用」「児童用」の2種類があり,Web上で行うことができるCGIである。集計結果も図2−16のようにWeb上で即時に見ることができる仕組みになっている。ユーザーは使用感をアンケートに書き込むだけではなく,支援システムを活用する前に,事前情報として,マニュアルに関しての情報を得ることもできる。
 また,自由記述欄には,活用した感想等を自由に書くことが可能である。書いた内容は,Web上で即時にフィードバックされ誰もが見ることができる仕組みになっている。
 自由記述欄に投稿された意見は,わかりやすくまとめて,「投稿情報」コーナーに集めて紹介している。


図2−16 即時フィードバック可能なアンケート結果ページ


2.4.3 投稿情報
 「投稿情報」では,支援システムを活用したユーザーの声を集めてある。
 内容は,「こんな活用の仕方がある。」「ここが使いにくい。」等の「使用感」「改善提案」など現在多様の意見が集まっている。
 「こういうときはどうするのか?」等の質問には,個人にレスを返すだけではなく,投稿情報コーナーでも,Q&Aの形で掲載している。また,「こんなWebページのを作ってみました。」等の活用紹介情報は,そのWebページにリンクをはって,直接見ることができるようにした(図2−17)。
 「投稿情報」は,システム使用前の事前情報収集や,ユーザーの情報交換の場として有効に活用することができると考えている。
 また,この情報を有効に活用してシステムの「評価・改善」に役立てていく。

図2−17 「投稿情報」画面



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