要旨


要旨

 本研究の目的は、SM能力が予測する魅力選択について拒否不安の影響の統制を行い検討することにあった。大学生226名を対象に、RSM尺度、拒否不安尺度、魅力選択についての質問紙調査法を行った。その結果、RSM、その下位2因子(自己呈示変容能力―他者行動敏感能力)と拒否不安との間にはそれぞれ正の相関がみられた。また、RSM能力と魅力選択との関連で、現実条件―理想条件設定の変化、そして拒否不安の高低において魅力選択の変化が見られた。また、自己呈示変容能力は現実条件で外見の重視に影響を及ぼし、他者行動敏感能力は理想条件で外見の重視に影響を及ぼしていることが明らかになった。これらの結果から、SM能力が予測する魅力選択には、拒否不安の有無、または高低の影響を受けることが明らかになった。また、SM能力の下位因子は、それぞれ異なった条件に影響を及ぼしうることが分かった。