日本語版RSM尺度 :SM能力を測定するために作成された、Lennox & Wolf(1984)のRSM尺度を、岩淵(2003)が日本語版に改訂した、日本語版RSM尺度13項目を使用した。ただし、本調査では藤岡・高橋(2007)に従い日本語版RSM尺度5段階評定を6段階評定により実施した。また、岩淵(2003)の日本語版RSM尺度は、Lennox & Wolf(1984)のRSM尺度が6段階評定に対し、5段階評定で妥当性を検証している。藤岡・高橋(2007)は、オリジナルの6段階評定での実施が妥当であるとし、日本語版RSM尺度の6段階評定の作成を行い、Lennox & Wolf(1984)のRSM尺度と同様の構成概念妥当性を得たとした。測定尺度の各々の質問項目に対し、それぞれ「非常にそうである」「そうである」「どちらかというとそうである」「どちらかというとそうでない」「そうでない」「全くそうでない」の6段階で評定を行い、分析の際に6点〜1点までに得点化した(逆転項目に関しては、逆のスコアリングを行った)。
拒否不安尺度
:親和動機(拒否不安・親和傾向)の測定のために杉浦(2000)により作成された親和動機尺度内の下位因子である「拒否不安」因子の9項目を使用した。測定尺度の各々の質問項目に対し、それぞれ「当てはまる」「やや当てはまる」「どちらとも言えない」「やや当てはまらない」「当てはまらない」の5段階で評定を行わせ、分析の際に5点〜1点までに得点化した。
魅力選択に関する説明文と質問
:魅力選択に関する説明文は、Snyderら
(1985)における実験をもとに、独自に改訂を行い作成した。説明文とその質問項目に対する記述の前に、「これから2人の異性が登場します。あなたが、以下の質問文での条件下になった時にどちらを選択するのかを答えてください。」という内容の教示を行った。また、説明文では、A(アイ・ケンタ)とB(マナミ・タクヤ)の2者を設定した(男性と女性用に2者それぞれに2人ずつ用意した)。Aの説明文は、「大学生。外見(顔)は、誰しもが認めるモデルのような容姿の持ち主。アイには、無作為に選んだ10人中9人がきれい(又はかわいい)と答えた。ケンタには、無作為に選んだ10人中9人がかっこいいと答えた。しかし、性格は難があり、自己中心的で、新しく友達を作ろうとせず、親しい友人としかほとんど一緒にいない、といった非協調性・内向性が見られる。また、気分屋であり、その時の感情に流されやすいという傾向がある。」であった。また、同研究の条件文のとおり、「アイ・ケンタ共に外見魅力7点満点中、平均6.3点であった。」との記載も行った。一方、Bの説明文は「大学生。外見は、決して魅力的とはいえない(むしろ、魅力ではない)。マナミには、無作為に選んだ10人中9人がきれい(又はかわいい)とは答えなかった。タクヤには、無作為に選んだ10人中9人がかっこいいとは答えなかった。しかし、性格は、他者が憧れるくらい魅力的であり、他者に気さくに話しかけることができ、また話を聞く側にもまわれる。社交的であり、積極性そして協調性を兼ね備える。感情面でも安定しており裏表がなく、ユーモアセンスにも富む。」であった。また、同研究の条件文のとおり、「マナミ・タクヤともに外見魅力評定7点満点中、平均1.5点であった。」との記載も行った。この説明文の後に質問に対して回答させた。質問項目は全4項目から成り、その内容は拒否不安が発生する状況としての現実場面条件(選択した人と実際に会って、デートに出掛けることになる、という状況)、また拒否不安が発生しない状況としての理想場面条件(選択した人とは実際に会うことはない、という状況)、そして友達条件(友達にするなら、という状況)・結婚条件(結婚するならという状況)であった。それぞれの項目に対し、どちらの異性を選択しますか、という問にいずれか1人を選択させた。また、説明文の内容の量に偏りがないように配慮した。
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