要旨  問題と目的  結果  考察  引用文献


方法




1.調査対象  三重大学学生及び院生281名を対象に質問紙調査をおこなった。回答に不備があったものを除外し、270名(男性123名、女性147名)を分析の対象とした。

2.調査時期  2014年12月上旬

3.手続き  大学の講義で筆者が質問紙を配付し、その場で回答してもらい回収した。

4.質問紙の構成  質問紙は、卒業試験導入に対する態度の測定、卒業試験導入に関する意見文、説得者に対する印象、意見に対する評価と以下の2つの尺度によって構成された。

4-1.卒業試験導入に関する態度 (2項目 7件法)  伊藤、岡本(2007)が用いた項目を参考に作成した。「卒業試験導入に対する賛成度」及び「卒業試験導入に対する好ましさ」の2項目で、「非常に反対」から「非常に賛成」あるいは「非常に好ましくない」から「非常に好ましい」までの7件法である。

なお、教示文において卒業試験を「最終学年(4年/2年)の最後に、専門分野に関する内容だけでなく、総合的な知識を問うための試験を行い、その試験に合格した者のみが卒業することができるというシステムのことです。」と示した。

4-2.卒業試験導入に関する意見文  伊藤、岡本(2007)が用いた意見文を参考に作成した。意見の記述者(説得者)を「T大学教育学部A教授」と教示するか、「T大学教育学部4年生Aさん」と教示するかで、専門性の操作をおこなった。

また、意見の主旨を「卒業試験の導入が、学生の学力向上につながる」とするか、「卒業試験の導入が、大学の経営状況安定につながる」とするかで、論拠の質の操作をおこなった。

4-3.説得者に対する印象(3項目 7件法)  伊藤、岡本(2007)が用いた項目を参考に作成した。「説得者の信頼度」「説得者の専門度」「説得者の好ましさ」の3項目で、7件法である。

4-4.意見に対する評価(2項目 7件法)  伊藤、岡本(2007)が用いた項目を参考に作成した。「意見の納得度」「意見の好ましさ」の2項目で、7件法である。

4-5.卒業試験導入に関する態度 (2項目 7件法)  意見を読んで、態度の変容を見るために、4-1と同じ項目に再び回答させた。

4-6.ジェンダーパーソナリティー  BSRI日本語版(東,1990;1991):Bem Sex Role Inventory(BSRI;Bem,1974)の邦訳版。性役割パーソナリティを二次元的に測る。

「男性性尺度」「女性性尺度」「社会的望ましさ尺度」の3つの下位尺度からなるが本研究では「社会的望ましさ尺度」を除いて使用した。各20項目7件法。 4-7.外向性  Big Five尺度(和田,1996):Big Fiveモデルを背景に、形容詞による性格特性語を用いて性格特性5因子を測定する。

下位尺度「外向性」のみ使用した。10項目7件法。