X、今後の課題


 
 本研究では、「うまくいっているところ」を書き出してもらい、それを1週間後にあった出来事を思い出して事後テストを回答してもらった。1週間おいたためにプログラムのことを忘れてしまっている大学生も結構いた。そのためか、有意な結果があまり得られなかったように思う。この問題を解決するためには、プログラム直後、記入したことをよく覚えているようにしっかりと教示をする、事後テストの回答前に1週間の間にあったことを思い出す時間をしっかり取るなどが考えられる。
 また、実験Aと実験Bの間に有意な差が見られなかったのは、課題の教示の仕方に問題があったのではないだろうか。今回、課題は大学生に「(課題の部分を)よく読んでおいて下さい。」としか伝えなかったため、あまりこちらの意図が伝わらず、ちゃんと読んでいない大学生にとっては、実験Bとさほど変わらないものになってしまったのではないだろうか。ただ読ませるだけでなく、実験者が「うまくいっているところ」を記入してもらった後に口頭で課題の内容を伝え、大学生によく覚えていてもらうべきであった。
 本研究は大人数に一斉に行うプログラムであったが、一人ひとり面接を行って実験を進めていけば、より効果が現れるかもしれない。


 
T、問題と目的 U、研究T V、研究U W、総合考察 X、今後の課題 Y、引用文献